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ENDRESS TALE

夜に濡れる罪の翼 3

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           ◆

 シビックセンターといわれる一角には、市庁舎や裁判所、警察署といった機関が並び、この辺りがニューヨークの行政の中心だった場所だ。
 しかし、ここにも略奪と暴力の爪痕は激しく、フレンチルネサンス様式の外観をニューヨークで最もエレガントな建物と言われたシティホールも、その半分近くが無残に破壊されていた。
 無事だった建物の一部に応急処置を施して、今はマンハッタンの治安維持を図る軍がここに駐留している。
 とはいえ、状況はさっきと似たり寄ったりで、暴徒と化した市民との一進一退の攻防が続いているらしい。
 倉庫になった部分へと積荷を運び込む補給部隊の仕事を手伝った後、ユリたちにはシティホールの内部にある部屋が提供された。
 にわか作りのゲストルームは、ホテルのように快適とは言えないものの、ここでそれを望んだところで無理なことはわかりきっている。シャワーも使えたし、個室に薄っぺらいマットレスのパイプベッドもある環境を、ありがたく享受することにした。
 ちょっとした騒ぎのおかげで到着が遅れたこともあり、直に日没だった。夜のマンハッタンを歩きまわることは、長くここに駐留している兵士でも嫌がる。チャイナタウンへ入るのは、明日に持ち越し、今夜はゆっくり休息を取ることにした。
 相変わらず不味いレーションでささやかな夕食を取り、ロイたちもそれぞれの部屋へと引き揚げる。
 食事中、ユリは、ここに派遣されてきているという数人の兵士から、チャイナタウンの様子をいくらか聞き出すことができた。
 その話では、チャイナタウンはほかの地域に比べればまだ昼間は安全なほうらしい。ただ、マンハッタンの夜には、得体(えたい)の知れないものが跳梁(ちょうりょう)すると言われた。「暴徒か?」と訊いたけれど、どうやらそうではないらしい。「恐ろしいものだ」と口数少なく答えた兵士は、本気で怯えていた。
「エイリアンでも出るってのかな……?」
 貴臣と二人の部屋に入り、そう呟いたユリに、恋人が細い首を傾げて不思議そうに見つめる。
「エイリアン?」
「マンハッタンの闇には、化け物がうようよしてるらしい」
 囁きながら、薄い背中を抱きしめた。首筋に顔を埋めれば、ボディソープのほのかに甘い香りがした。
 ユリの腕の中から見上げてくる白いおもては、何か考え込むように真摯な表情を浮かべる。
「忍者、かな?」
「かもしれないな」
 可能性としては、一番高そうだとユリも思う。だが、それだけで戦場にも慣れた米兵が、あれほど怯えるものだろうか。
「思っていた以上に、ここは危険な街らしいな」
 暗い窓の外を見つめる貴臣の瞳は、もっと遠いものを追っている。それが何かを、わからないユリではない。
「芙緋人のことが、心配か?」
 たった一人の肉親を案じる貴臣の気持ちは、家族にはあまり恵まれなかったユリにも理解できる。
 かつては互いを殺そうとして、愛憎のすべてをぶつけ合った貴臣と芙緋人だが、だからこそその絆は何よりも深い。貴臣にとって、芙緋人はその身体の一部にも等しい存在だ。
 嫉妬を感じないわけにはいかないけれどと、情の深い男は微かに口元を苦く綻ばせた。恋人の複雑な胸の内までをわかっているように、微笑んだ唇がユリのそれにやわらかく重なる。
「ごめん……」
「謝るなよ。責めているわけじゃない……貴臣の気持ちは」
「芙緋人のことを考えると、ここでじっとしているのもつらくて」
 本心からの弱音を洩らした貴臣に、我慢強い相手のあからさまに不安な顔を見るのも珍しいと、ユリは目を丸くした。そして、密やかに笑う。
「焦るな。芙緋人は必ず見つける」
「うん。ユリ……」
 ユリの言葉ひとつで、貴臣は安心したように四肢の強張りを解いた。いつだって、ユリはそうして貴臣の信頼に応えてきた。一度も裏切ったことはない。芙緋人のことも、ニューヨークまで来て、なんの成果もなく日本へ帰るつもりはなかった。
 芙緋人を見つけ出し、首に縄をつけてでも日本へ連れて帰る。その目的を果たすまでは、ここを動かない。芙緋人がまだ生きていればの話だが。
 ウィルスと、その後の混乱や暴動で、ニューヨークでは数万の人間が命を落としている。芙緋人がその一人であった可能性だって捨てきれない。なのに貴臣の様子を見ていると、不思議に芙緋人はまだこのマンハッタンのどこかで生きていると確信できた。
 この混沌とした状況の中では、誰を信じるよりも、研ぎ澄まされた自分の勘に頼るしかない。少なくともユリは、そう信じていた。
「寝るか?」
「うん」
 ベッドへ行こうと、腕の中の人を促して、安っぽいパイプベッドの傍らで立ち止まる。
 アーミージャケットを脱ぎ、ためらいもなくアンダーシャツに手をかけたユリから、貴臣はひどく眩しいものでも見るように視線を伏せた。
 その恥らう仕種に気づいて、「慣れねーな」と喉の奥で笑い声を立てる。赤く染まった頬を上げた貴臣は、「だって……」と恨めしそうに羞恥心の足りない男を睨んだ。
「ほら、脱げよ」
 上半身はさっさと裸になり、貴臣を手伝ってやろうと手を伸ばすと、「明かり、消して」と掠れた声で哀願する。
 言われてみれば、窓にはカーテンなんていう気の利いたものはなく、いくら二階だとはいえ、明かりを点けたままでは誰に覗かれるかわからない。
 大股に部屋の隅へと明かりを消しに行き、戻ってきて改めて貴臣と向かい合った。抱きしめるようにしながらベッドへ横たえ、アーミージャケットのボタンをはずしていく。
 わざと敏感な左の胸を刺激するように不埒(ふらち)な指を動かすたび、びくびくと貴臣はしなやかな四肢をわななかせた。
「敏感になってる」
「あっ……やぁっ」
 耳朶を啄ばみながら、アンダーシャツの上からささやかな突起を摘み上げられて、刺激が強いと押し殺した悲鳴が洩れてくる。
「声、出せよ」
「……隣に、聞こえるっ」
 ゆうべは、ジョン・F・ケネディ空港のターミナルに設けられた一室で眠り、隣の部屋にはロイがいた。
 朝になって、赤くなっているロイの顔でも見たらしく、貴臣は羞恥に濡れた音色で訴える。
「かまやしねーよ」
 今夜は、ゆうべ眠れずに懲りたみたいに、ロイは廊下を挟んだ三つ向こうの部屋にいて、隣はスティーブが休んでいるはずだ。
「あんっ、ああっ! ……ユリっ、ばかっ、も……」
 無理やり甘い嬌声を引き出すみたいに、ゆるいズボンを下着ごと手早く引き下ろし、まろやかな尻を鷲掴みにしてやる。
 手荒な所作になおさら感じて、貴臣は「だめぇ……」と、分厚い胸と押し戻すように往生際悪く抵抗した。
 そうして抗ってみせることすら、貴臣だと巧妙に男を煽る手管にしかならない。「大人しくしてろ」とあっさり手足を組み敷いて、一番もろい場所へ指を忍ばせた。
「あぁんっ、いやっ……」
「嫌? 欲しそうにぱくぱくしてるぞ、ここ」
 ひっそりと忍び笑うと、恥ずかしいと抗議するみたいに肩へ爪を立てられた。その鋭い痛みに眉を顰め、お返しみたいに濡れない襞を抉ってやる。
「ひっ、い、や……ユリ、いやっ」
 被虐の性を持つ貴臣は、少々乱暴にされるぐらいのほうが昂る。わかっているから、行為や言葉で苛めもするけれど、恋人を決して傷つけない加減は心得ていた。
「なら、やさしくして、って言ってみろよ」
 自分からねだってみろと唆されて、貴臣は「あっ……」と高揚した吐息をこぼす。
「……お願い。やさしく、して」
「やさしく、どうするんだ?」
 それだけでは許さないと、上気した頬へ意地悪く唇を這わせた。軽く息を呑んだ貴臣は、窓から射し込むサーチライトの光に、潤んだ瞳を戸惑うように揺らした。
「お尻の、中……弄って」
 その瞬間、含羞よりも危うい光が漆黒の虹彩を過ぎり、熱を孕んだ肌がユリの腕の中でとろりと力をなくす。
「ああ、うんとよくしてやるから、いい声で啼けよ」
 我慢なんてしなくていいと、頑な素足の間と胸の奥を暴いてやる。ユリの掌に包まれて、素直すぎる性器は瞬く間に雫に塗れた。
「あ、んっ……ああっ、い……そこ、もっと」
 敏感な先端に触れてほしいとせがまれて、痛くなりそうなほど擦ってやりながら、ゼリーをまとったもう一方の指で淫らな粘膜を開かせる。
「ああっ! あっ、あっ……」
「指、食ってるな」
「ユ、リ……奥っ、もっと、奥……」
 深く来てと誘う表情はあまりにも淫蕩で、そのくせ闇を焦がす炎のように一途な恋情が、ユリの胸を掻き乱した。
「もうちょっと、待てよ。ちゃんと……俺を、入れてやるから」
 薄く綻ばせた唇で、「指じゃ届かないだろう」となだめ、どれほど体を繋いでも狭い襞を少しだけ強引に指を増やして抽送する。
「あんっ、あ、あ……ユリ」
「気持ちいいか?」
「いいっ……う、んっ、ん……出ちゃう」
 堪え性もなくいってしまうと泣かれて、「まだだめだ」と激しい愉悦に震える性器を包んだ指先へ、縛めるように力を込めた。
「ひっ、ああっ……」
 息を啜った貴臣は、あふれる涙に濡れた視線にユリを搦めとる。闇色に灯る紅蓮の焔は、貴臣の持つ命の輝きだ。その色に魅せられるまま、唇を強く重ねた。
「んっ、んーっ……はっ」
「っ……入れてほしいか?」
「入れてっ……入れて、早くっ!」
 もう待ちきれなくなっているのはユリのほうなのに、急くように艶めいた響きに求められ、入れる前にその声だけでいってしまいそうだと苦笑する。
「力、抜いてろよ」
 抱え上げ、開かせた膝の間へ下肢を潜り込ませ、屹立をあてがった複雑な襞は、ぐっしょりと濡れそぼって蕩けていた。ユリのためだけに綻んだその場所へ、ゆっくりと入っていく。
 きつい抵抗を感じるのは最初の一瞬だけで、逆に呑み込もうとするみたいにやわらかな粘膜が蠢き、絡みついてきた。
 恋人の中へ包み込まれていくその感触は、ぞくぞくと快楽中枢を刺激し、淫猥な熱を広げるくせに、どこかでユリをあやし、不思議な安堵に抱き取られる。ここが自分の戻るべき場所なのだと、そうして教えられる。
「貴臣、貴臣……っ」
「ゆり……」
 揺らすように静かな律動を刻み込みながら恋しい名前を呼ぶと、汗ばんだ背中を細い指がすべる。そのたおやかな両腕に抱きしめられ、灼熱を秘めた双眸が鮮やかな煌きを増しながら、見下ろすユリの姿を映した。
「ここに、いて……ずっと、ここに」
「ああ。貴臣……」
「俺を……離さないで」
 ヤクザの庶子であるユリよりも、さらに死を身近に感じながら育った貴臣は、このマンハッタンの夜を見通しているようだった。自分の身に迫る暗い気配を、何よりもはっきりと体感しているのかもしれない。
 薄い背中を掻き寄せて、「離さねーよ」と言い聞かせた。何があっても、たとえ地獄の底へ堕ちても、愛しい人を抱くこの腕を離すはずがない。
「大丈夫だ、貴臣。……俺は、ここにいる」
 小さく腰を捻り、奥を突き上げて、「わかるか?」と確かめた。張りつめた尻をおののかせて、「ああっ」と泣いた貴臣が、しとどに濡れた内腿を引き締まったユリのウエストへ悩ましく擦りつけてくる。
「もっと……それ、して」
「ああ」
 ほのかに笑みをこぼし、次第にピッチを速めながら、貴臣の弱みばかりを責めた。甘やかに泣いて身悶えながら、暗闇に滲む白い四肢がユリを求め、しがみつくように抱擁する。
「ユリ……ユリ、愛してる」
 せつなげなその声音が、殺してほしいとユリに囁くことはもうなかったけれど、あの頃と同じように聞こえてしまう。貴臣が心の底に抱え込んでいる闇はなんなのだろうと疑えば、いっそう執拗に淫靡な所作が白い尻の狭間を貫いた。
「ああ――っ、いいっ、い……ユリ、ユリ……いっちゃう」
「いきそうか?」
「うん……いくっ、いく……ああぁっ、あっ、あ、ああっ」
 夢中になって、掲げた素足を揺らめかせる貴臣の唇から、周囲を憚ることも忘れて高い嬌声が上がる。繰り返し、痙攣するように収縮する内側に痛いほど締めつけられ、下腹へ迸る恋人の熱い欲情を感じながら、堪えきれずに奥へと放った。
「あふっ……あ、つい……」
 感じやすい内壁をひくひくと脈打たせ、送り込まれてくる刺激の強さに無意識に逃げようとする肩を押さえ込む。そして一滴残らず中へ注ぎ込むように、強引に腰を使った。
「ああっ、あっ……ひっ、い……」
 濡らされていくのを感じるように、貴臣は虚ろな目を瞠り、涙を流しながら喉を喘がせる。
「あふれてく……熱い、の……」
「たっぷり、貴臣の中に出したから……」
「あ……っ」
 高揚した余韻の去らない腰をゆっくりと動かすと、くちゃくちゃとなまめかしい音が鳴った。紅潮した頬を一段と赤く染めた貴臣が、乱れたシーツを蹴るみたいに繋がった場所を浮かせる。
「だ、め……」
「うん?」
「止まらなく、な……」
 奔放な仕種を抑制できないと泣く貴臣の唇を啄ばみながら、「止めなくて、いい」と唆した。長い夜へもう一度堕ちろと抱きしめる腕に、貴臣は甘い息を吐き、その純白の素肌を委ねた。
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