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イベント

JGARDEN34について

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なんとかなりそうなので、ご報告。

3月3日のJGARDENに参加します。
スペース に03a 月代探偵社
新刊『緋恋』
 リンクスロマンス『凶恋』番外編 大吾×蒼一郎
A6サイズ 60p 表紙フルカラー 500円

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冬コミの『未恋』の続きになります。

本当は、J庭でまたNY編の続きを出していきたいんですが、頭がついていけてないので、そっちはもうしばらくお待ちくださいませ。

以下、お試し、です。(『未恋』の最後からそのまんま続いています)


 ゆらゆらと揺られている。自分を抱えた男に抱いて運ばれているらしいと、若宮蒼一郎は半ば夢見心地のまま感じ取った。
 体の芯にはまだ彼が入っているみたいで、トロトロに溶けた肌も頭も覚醒にはほど遠かった。遠くで誰かの声がしている。
「てめーっ、一体何しやがった?」
(島村……か?)
 姿を見なくても、剣持大吾を咎めるその口調だけで、蒼一郎にはすぐにわかる。
 島村力――かつては台湾マフィア・黒龍会の傘下にあった統仁会の組長だった男で、今は蒼一郎の舎弟を勝手に自称している。
 黒龍会を破門される前に飛び出し、どこにも居場所のなかった彼を、強引に押しかけられたとはいえ過去の因縁を越えて受け入れたのは、結局、蒼一郎だけだった。
「やさしく抱いて慰めたさ」
 耳元で、さも当然と言わんばかりに答える大吾の声がした。
 蒼一郎の祖父、周一郎の跡を継いで若宮組組長となった剣持大吾は、祖父に引き取られた三つの時からのお守り役で、こうして公然と肌を重ね合う恋人でもある。
 先代の孫とはいえ、今は一介の大学生にすぎない蒼一郎は、世間的に見れば組長の情人なのかもしれない。
 もっとも、蒼一朗自身はそんな自分の境遇をまったく負い目に感じたりはしなかった。
 それに、若宮組の本家筋にあたる水上組の会長職を大学卒業後に引き継ぐことが決まっている今は、どちらが情人かなんて些事ですらなかった。
「誰も犯り殺せとまでは言ってねーだろっ」
 島村は、なおも大吾に食ってかかっている。
 彼が統仁会の組長だった頃に、卑劣な手段を使ってレイプされたことがある蒼一郎と、それを根深く恨んでいる大吾は、今も奇妙な三角関係で繋がっている。
 蒼一郎の舎弟にしてほしいと土下座をして頼んできた島村が、不埒な行為に及ぶことはもう決してなかったけれど、彼が蒼一郎に見せる献身的な忠誠心すら、大吾にはひどく忌々しいらしい。
「死んじゃいねーよ。失神しただけだ」
「それがやりすぎだって言ってんだ。少しは手加減ってもんを覚えろよ」
「強姦魔のおまえに言われたかねーよっ」
 大吾はまたいつもの恨み言を口にして、島村の抗議を突っぱねた。
 いくら身内同然の組員たちしかいない若宮家の屋敷内とはいえ、こんなあからさまに下半身の話を持ち出されるのは、人並みの羞恥心を持つ蒼一郎には迷惑でしかなかったが、大吾や島村に何を言っても無駄だともう諦めている。
「あれはっ……」
「俺はおまえを許したわけじゃねーぞ」
 らしくないほど気まずそうに口ごもった島村に、大吾は傲慢に畳みかけた。
「わかってるよ」
 低く呟いた島村が、忠実に舎弟として蒼一郎に仕えてくれている一方で、その体にまだいくらかの未練を抱いていることは、薄々気づいていた。
 けれど、それは島村自身の問題だし、嫉妬を剥き出しにする大吾のように口を挟むつもりはない。
 だいたいこんな餓えたケダモノみたいな連中が徘徊する極道社会にいたら、自分のような存在がどう見られるかは、蒼一郎にもいいかげんわかっていた。
 大吾に抱かれ、体がその快楽をすっかり覚えてしまった今では、彼らが自分を見る目を煩わしく思うことも少なくはない。
「で……連中の動きは?」
 島村に問いかける大吾の口調が急にガラリと変わったことを、蒼一郎はぼんやりした意識の中で感じ取った。
「動いたさ。間違いなく全員……。予めこっちが目をつけてた殺し屋の所には、矢継ぎ早に依頼が入ってきてる」
 大吾の言う《連中》が、さっきまでいた水上組の会合に顔を揃えていた幹部たちだというのは、島村の返事からも察しがついた。
 耳に入った《殺し屋》という不穏な響きに、大吾の熱に蕩かされていた胸の奥が小さくざわつく。
「はっ、たいした人気者だな」
「笑ってる場合か。金さえ貰えば何だってやるハイエナみたいな連中もいる。そこまでは、いくら俺だって把握しきれねー」
 冗談を言う余裕のある大吾に、島村は焦燥でも感じたように噛みつく。
 島村だって滅多なことで動じるような男ではなかったけれど、こと蒼一郎の身に危険が及ぶとなると平静ではいられないようだ。
 それに、笑っている大吾が内心、どれほどの憤りを掻き立てられているか、蒼一郎には手に取るようにわかった。
「もう、泣き言か?」
「馬鹿言え」
「二流、三流どころなんて屁でもねえよ。俺の拳ひとつで止めてやる。用心しなきゃならねーのは、本物のプロだけだ」
「相変わらず自信家だな」
 島村が気にするような雑魚のことなど端から眼中にはないと豪語する大吾に、呆れたような返事が聞こえた。
「おまえはどうなんだ?」
 大吾の問いに、声もなく笑った気配がする。こんな時、《毒蛇》と呼ばれる島村がどれほど冷酷な表情を浮かべるか、目を閉じていても想像がついた。
「まあ連中も、鉄砲玉程度じゃ端から俺の相手にならねーとわかってるから、わざわざ高い金払ってもプロを雇おうとするんだろう。……潰すぞ」
「おい……、水上組を全滅させる気か?」
「俺が知ったことか。蒼に指一本でも出しやがったら、全員殺す」
 案の定、大吾は物騒な言葉を平然と口にする。それに、口に出したことは実際にやりかねないのが、この男の本当に怖いところだった。
「これだから《狂犬》は……。少しは蒼兄貴の立場ってものを考えろよ」
「おまえらがどう思ってよーが、俺は蒼を危険に晒すぐらいなら、権藤も水上組も斬って捨てるからな」
「馬鹿野郎。頭に血が上りすぎだ。ちっとは冷静になれ」
 もともと島村も決して理性的なタイプではない。キレれば大吾とサシで殴り合うほど凶暴な根っからのヤクザものだ。
 その島村が、大吾の前だといくらかでも自制心があるように見えるのが、《狂犬》の《狂犬》たる由縁だろう。
 狂犬・剣持大吾を飼い慣らし、跪かせられるのは、蒼一郎ただ一人だ。それが、蒼一郎が水上組次期会長に選ばれた最も大きな理由だった。
 蒼一朗自身、まだ学生でしかない自分の実績などそんなものだということは、よくわかっている。
 だからこそ、幹部会も権藤の強引な決定には承服できないだろう。反発が起こることは、容易に予想できた。
「蒼は、俺のものだ。俺だけの……」
「それは兄貴が決めることだ」
「……くそったれっ!」
 吼えるみたいに罵る大吾が、蒼一郎に水上組会長なんていう重責を背負わせたくないと思うのは、恋人なら当然の感情だろう。
 ましてや、大吾は亡き祖父から蒼一郎の行く末を託されていた。敵対するチャイナマフィアの銀星会どころか、幹部会からも命を狙われるような立場にするために、三つの時から守ってきたわけではなかったはずだ。
 ただその一方で、蒼一郎以外の下にはつきたくないという、若宮組組長としての大吾のジレンマもあった。
 かつては祖父の盟友だったこともあり、表面上は従属関係を保ってきた権藤ならともかく、ほかの幹部が会長職に就いた時、あの大吾がおとなしく命令に従うとは思えない。
 第一、幹部会には、いつ自分たちに牙を剥くかわからない危険な大吾を排除してしまいたいと思う者も少なくなかった。
 だが、今後、銀星会との抗争が激しさを増すにつれて、大吾の戦力が欠かせないものになっていくのも事実だろう。
 そして、今の蒼一郎の手駒には、元統仁会の島村ばかりか四国や東北の武闘派たちまで集ってきている。
 若宮周一郎の血を引く蒼一郎に会長職を譲るというのは、そうした状況の中で下された権藤の苦渋の決断だった。
「おい、部屋はこっち……」
 蒼一郎を運ぶ大吾に並んでついてきていた島村が、寝室に使っている座敷と方向が違うだろうと声をかける。
「風呂で洗ってやってからだ。全部、中出しした……」
「くそったれは、てめーだっ!」
 疚しさも恥じらいもなく堂々と答えた大吾に、島村は遠慮なく憎悪を込めた罵声を浴びせた。
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