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花と牙

花闇 ~退魔師・能勢頼人の誘惑~ 6

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        咲耶姫

「大丈夫、ですか……?」
 目を開けると、ベッドの上にいて、快楽の余韻のように真紅の瞳をした大介が覗き込んでくる。
「おまえ……」
 いつの間にかワイシャツも脱がされ、全裸で白いシルクのシーツに横たえられた腕に、ヒヤリとしたものを感じて視線を向けると、銀色の鱗を持つ蛇が絡みついている。
 その拳ほどある頭を、頼人は愛しげにくすぐった。
「これじゃ、渡が音を上げたくなるはずだな……」
 頼人を欲しがって、夜ごとにこんな姿に変わっていたのなら、霊気が乱れていると三浦がぼやいていたのも無理はない。
 解放されたこの霊気を結界で抑え込んでいた渡は、いくら真柴が開発した呪具を使っていても、相当、消耗させられたことだろうと納得した。
「いつもは、ここまでひどくはないんです。今夜は、ボス……頼人さんが、いるから」
 大介自身も、さぞ困惑したことだろうと、その情けない顔つきからも察しがついた。無理に溜め込むから、こんなことになるのだと、胸の中で笑う。
 魔物の父親から半分は蛇の性を受け継いだ大介が、人一倍欲望が強いのだって、当たり前のことだった。
「いっしょにいれば、よけいに抑えが利かないか……。だから、わたしを抱きに来なかったのか?」
「こんな姿を見たら、いくら頼人さんでも……」
 きっと嫌悪されると思っていたと、大介は複雑な表情を浮かべる。
 期待はずれで悪かったなと、頼人は魔物のくせに自分よりずっとまっとうな倫理観を持つ恋人を、少し卑屈なまなざしで睨んだ。
「……もう、わかっただろ?」
「……いつもより、感じてた?」
 魔物並みの頼人の淫蕩さを見抜いていた大介の首を、霊体の蛇を腕に絡ませたまま、抱きしめる。それでも、今の頼人は、この男だけのものだった。
「どんな形をしていても、おまえは、おまえだ……」
「……人の姿を保てなくなっても?」
「免疫があるからな。どんなおまえだろうと、受け入れてやるよ」
 頼人には、人の形である必要さえなかった。第一、頼人が最初に惹かれたのは、力を解放して白銀の鱗をまとった大介なのだと笑ってみせる。
 ほかの魔物に抱かれた免疫など、大介は欲しくもなかっただろうけれど、頼人は何も隠さなかった。
「頼人さん……」
「焼きもちやき……」
 免疫と言われて、一瞬で気配を尖らせた大介を、笑いながらからかう。
「もっと早く出会っていたら、あなたをほかの何にも触れさせたりしなかった……」
 大介の一途な独占欲がうれしいから、過去の自分に少しだけ後ろめたさを感じてしまう。
 それでも、頼人は今までの自分を後悔してはいなかった。闇の深さを知っているからこそ、大介のまとう光はどこまでも眩しい。
「年下のくせに……」
「……年下は、嫌ですか?」
 訊きながら、当然のように白い脚の間に入ってくる大介に、甘く微笑んだ。
「いちいち冗談を真に受けるな。嫌なら、最初から洟も引っかけなかったよ」
 大胆に膝を抱えられて、求められるままに濡れた体を開いた。大介の視線を、爛れた体の奥まで感じる。
「赤く、なってる……」
「おまえが激しく突くからだろ……」
 見たままが、思わず口からこぼれたのだろう。頼人がおまえのせいだと言い返すと、大介は、立ったままで睦み合った荒々しい行為を、ようやく思い出したように真っ赤になる。
「無理なら……」
「誰に訊いてるんだ、おまえは……? 早く、来い……。これを、ずっと待っていたんだ。一度や二度で離してもらえると思うなよ」
 頼人の体を気遣おうとするやさしすぎる恋人に、欲しくて堪らないのは自分のほうだと呆れながら抗議した。
 もう硬く勃ち上がっている猛々しい性器を宛がって、大介は、それでも慎重に入ってくる。
「はっ……あぁっ……」
「気持ちいい?」
「ああ……。んっ……?」
 気持ちいいと、うっとりうなずきかけたとたん、大介と交わり合っている粘膜の縁をチロチロと舐める異質な舌の感触に、ビクンと爪先を震わせた。
「いやらしい蛇だな……」
「好きでしょう?」
 何を見ても、されても動じない頼人に、いくらか開き直ってきたのか、大介は、違うのかと瞳を覗き込んでくる。
「ああ、好きだ……。おまえに全部見られながら犯されていると思うと、堪らない」
 人間同士では得られるはずのない快楽を、ためらいもせず好きだと微笑む頼人に、大介は、一瞬、面食らったように目を丸くした。
「……どっちがいやらしいんですか?」
「わたしがいやらしいのなんか、とっくに知っているだろう? キスしながら、もっと突いて、大介……」
「はい……」
 悪びれない頼人の奔放な言葉に、大介はそっと唇を綻ばせ、熱い吐息を重ねてくる。
 同時に、凶暴な楔がいっそう深々と突き刺さった。抱き寄せた腰へ荒々しく挿送されて、頭の芯まで蕩けていく。
「ふっ……あっ、あ、んっ……」
 シーツに伸ばした腕にも、大介に抱えられて揺れている素足にも、上気して喘ぐ胸にも、銀色の蛇が這っている。
 人では味わえないその快楽を、大介はいったいどんなふうに感じているのだろうかと目を上げた先に、真紅に輝く双眸と、銀色に光る肌を見つけた。
《頼人……》
 声帯を使ったものではない声が、直接、頭の中に響いてくる。「どんな形をしていても、おまえは、おまえだ……」と言った頼人の言葉に安心したのか、もう半分、人の形を失いかけている。
 その大介に、甘く微笑みかけた。
「わたしが、愛しいか?」
《……はい》
「この体は、おまえを満たしているのか?」
《……触れるほど、快感があふれてくる。これ以上の、悦びを知りません。あなた、だけだ……》
 まるで幸せを噛みしめているような大介の返事に、よかったと濡れた肢体をよじる。
「大介……もっと、欲しい」
 ねだってやると、中の屹立がいっそう膨れ上がっていく。蕩けそうな粘膜を擦るそれが、燃えるような熱をおびる。
「大介……、大介……」
 魔物の名を呼びながら、ブルリと身を震わせ、銀色の鱗に包まれた下腹へ欲情を放った。
 わずかに遅れ、頼人の体の奥へ灼熱の奔流が迸るのを感じて、歓喜にまみれ、銀色の背中にしがみついていた。

「ん……」
 目を覚まして、不思議なぬくもりの中で小さく身じろぎすると、足下へズルリと何かが動く。
 巨大な銀色の蛇に抱かれた自分の姿を頭に浮かべ、背後を振り返ると、見慣れた端整な青年の顔が微笑んでいた。
「なんだ……」
「え……」
「解放したままでよかったのに……」
 蛇身でなかったことが不満そうに呟いた頼人に、大介は呆れたみたいに大きな溜め息をついた。
「本当に、化け物の姿が好きなんですね」
「だって……あんなにきれいなものを見たのは、初めてだったんだ」
「え?」
 いつもの揶揄ではなく、本気の顔でうっとりと打ち明けた頼人に、大介は目を瞠って、見る見る赤くなる。
 魔物の血を引く自分を嫌悪する大介に、それは負い目などではないのだと、わかってほしかった。人の姿だろうと魔物の姿だろうと、頼人には愛しい男であることに変わりはない。
「傷……痛みませんか?」
「ん……?」
「気持ちよすぎて……途中で抑え利かなくなって、頼人さんの体の中まで、棘で傷つけてしまって……」
 やっぱり後ろめたそうに言い訳されて、大介がすっかり人間の姿に戻ってしまっているわけに気づいた。
「ああ……」
 行為の最中は夢中で、傷の痛みさえ忘れていたと、クスリと笑い声を洩らす。蛇のペニスがどうなっているか、知らないわけではなかったけれど。
「アレは凄かったな。……裂けるかと思った」
「すみませ……」
 恐縮しきって謝る大介の口を、無理やり掌で塞いだ。
 魔物のくせにデリケートな男だから、こんなことがトラウマになって、セックスしたくないなんて言われたら、頼人は堪らない。
「すぐに霊気を送ったから、お互い、それほど傷ついてはいないだろ。気にするな……」
「でも……」
「おまえは嫌がるけど……あのぐらいなら、慣れてるから」
 頼人の言い分に、大介はやはり不愉快そうに瞳を尖らせたけれど、体を傷つけたことのほうがよほどショックだったのか、それについての反論はなかった。
「もう二度と……、あんなことは……」
「おまえは、それだけわたしに夢中だったんだろ? 痛みよりも、そのほうがずっとうれしかった」
 快楽に酔って我を忘れた男に抱きしめられるのは、頼人にとってもこの上ない愉悦だった。そう言っても、大介はまだ納得できないおもてを苦しげに歪める。
「でもっ……」
「もういいと言ってるだろ。あんまりしつこいと、もうさせてやらないぞ」
「あ……」
 心にもない脅しをかけたのに、大介は素直に真に受けた表情で口ごもった。それは困ると、はっきり顔に書いてあるから、ホッとしながら笑みをこぼす。
「大介……」
「はい……」
「いっしょに暮らそう」
「えっ?」
 考えてもみなかったことのように、大介は驚きのあまり上体を起こしていた。
 確かに、官舎でもないのに同じ職場の上司と部下がいっしょに暮らしていれば、何かあるのではないかと勘繰られることは目に見えている。まして、頼人の性癖は、あからさまではないものの、警視庁でもしばしば噂になっていた。
「マンションを引き払って、ここに来い。三浦たちに結界張らせておくのも、なにかと面倒くさいしな……」
「でも……拙いでしょう」
「理由ならあるし、上に文句は言わせないさ」
 魔物の血を引く危険きわまりないダブルを監視させ、いざとなったら始末させるために、頼人に押しつけた連中に、大介をどう扱おうと、文句を言われる筋合いはないと、きっぱり答える。
 頼人自身は、ずっと迷っていたことだったけれど、一週間もお預けを喰って気が変わった。三浦たちに邪魔をされるのも、もうごめんだった。
「俺は……三浦さんたちに合わせる顔が……」
「三浦なら、なおさら文句は言わせない。わたしが尻軽な浮気者じゃないことを、あいつに教えてやる」
 同僚たちに頼人との関係を知られてしまったことも、大介にはけっこうショックだったらしい。
 しかし、頼人の男癖の悪さを嘆いていた三浦は、大介への恋情が本気だと納得すれば、もう邪魔はしないはずだ。
 大介の性格のよさも、三浦なりに気に入っているようだから、同じ職場ということ以外は悪くない相手だと丸め込むことも、不可能ではなさそうだ。もっとも、大介の持つ魔物の血への警戒は消せないけれど。
「本気……なんですか?」
「おまえな……。あれだけヤって、まだわかってないのか?」
 なんだか、頼人の恋情まで疑っているような大介の口調に、おまえは冗談であんなセックスができるのかと、棘のあるまなざしを向けた。
「いいえっ! ……いいえ」
 頼人自身が本当に大介といっしょにいたいのだと、ようやく理解できたように、彼はひどく幸福そうに笑った。
(素直すぎるぞ。まったく……)
 頼人の言葉ひとつで、心を大きく揺らしてしまうところは、当分直りそうにない。内心で嘆息しながらも、そんな大介こそが愛しくて、引き寄せた胸に顔を埋めた。
「わたしのものになれ、大介……」
「はい……」
 どこまでも高飛車な頼人の要求に、魔物の血を引く男は、弾むような仕種ではっきりとうなずいた。



To be continued.
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