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アニパロ

THE UNLIMTED 兵部京介 真木×京介

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真木×少佐ver.

 パンドラの幹部たちを乗せた潜水艦は、合衆国のエージェントに拉致されたユウギリを助け出すために、一路ニューヨークへ向かっている。
 船室のドアが閉まったとたん、兵部京介は強い目眩を感じて、足をふらつかせた。
 カタストロフィ号での戦闘は、既に限界が近づいていた京介の体に絶望的なダメージを残した。今度、力を解放すれば、おそらくそれが最期になるだろう。
 京介の身を案じて背後に付き添っていた真木司郎の腕が、タイミングよくその薄い肩を支えてくれる。
「少佐?」
「ああ……大丈夫だ」
「妙な意地を張らないでください」
 ほんの子供の頃から京介が育ててきた真木には、変なところで依怙地な性格も見抜かれている。
 強がっても無駄かと四肢の力を抜くと、軽々と抱き上げられてベッドへ運ばれた。
 生まれは、1930年代の初頭。先の大戦に従軍した超能部隊の生き残りで、ESPを使って体内の老化遺伝子を操作し、外見の若さを保っているものの、実年齢はとっくに80歳を超えている。
 そう知っていても、漆黒の学ランに華奢な手足を包み、透きとおる白い肌に冷たい鋼色の瞳をした京介を、余命短い老人と意識できる者は少ないだろう。
 元の色素を失って、なめらかな頬でサラサラと揺れる銀髪さえ、この氷のように綺麗で冷徹な男には、ひどくよく似合っていた。
 居住環境の劣悪な潜水艦の中では、パンドラのボスである京介の部屋さえささやかなものだ。ベッドも大人一人がやっと横になれる狭さだった。
 清潔なシーツに背中が軽く沈むと、間近から真木の思いがけない真摯な眼差しが覗き込んでくる。
「今なら、あなたを力ずくで自由にすることもできそうですね」
「おい……冗談は」
 不穏な台詞と肩を押さえ込んでくるカの強さに驚き、京介は彼の浅黒いおもてを見つめ返した。
 合成能力者の彼は、その長い黒髪も炭素で構成され、武器として使うことも、翼にして空を飛ぶこともできる。
 戦場で拾った時にはまだ幼い少年だった彼も、いつの間にか京介の背丈を追い越し、がっしりとした長身のふてぶてしい大人の男に成長していた。
 今では立派な京介の右腕で、パンドラのメンバーたちから信望を集めている。
「ふざけているわけじゃありません」
「真木……」
 見降ろしてくる真木の視線を、青ざめた肌に痛いほど強く感じた。
 心配と不安、そしてヒノミヤと二人きりで行動していた京介への疑惑。そんな真木の複雑な想いが伝わってきて、思わず目をそらす。
「質の悪い冗談だな」
「わたしには何もできないと思うんですか? わたしだって、いつまでも便利なだけの子供じゃない」
 真木の指が、らしくもなく乱暴に制服の襟にかかる。千切るような勢いでボタンをはずしていく。
 京介は抗いもせず、彼には似合わない荒々しい仕草を冷静に見つめた。
 実際、手も足も、いつもの半分も力が入らない。真木が力ずくで事に及ぼうとするなら、抵抗するだけ無駄だった。それに……。
「知っているさ。もう十分、僕の代わりを果たしてくれている」
「だからですか? だから、彼と二人で無茶をしたとでも?」
 真木が責めているのは、パンドラの仲間を忘れて個人の復讐に走ろうとした京介の軽率さと、そこにアンディ・ヒノミヤを同行させたことだ。
(そう、これは彼らへの裏切りだ……。けれど僕は)
 カタストロフィ号から伊号の脳とユウギリを奪い去られる原因を作ったのは、合衆国(USEI)のスパイだったヒノミヤだ。彼はパンドラの裏切者だった。
 しかし、京介には彼がそうした理由も、今となってはそれを後悔していることもわかっていた。
 何より京介もヒノミヤも、今は合衆国にいる一人の男に大きな借りがある。
 終戦間際にこの手で殺したはずの男が、生きていると知った時、京介は命を懸けても追わずにはいられなかった。
「あなたが過去の復讐しか見ていないことは知っています。でも、なぜあいつなんです? ……わたしを呼んでくださらなかったんですか?」
 その行動より何よりも、京介がヒノミヤだけを連れていったのが気に入らないというように、真木は険しい目つきで睨みつけてくる。
 その暗い激情を孕んだ瞳を、京介はまっすぐに見つめ返した。
「嫉妬か? それは」
「わたしが嫉妬するのはおかしいですか?」
 からかうように問いかけた京介に、真木はあくまでも真剣に訊き返してくる。
「バカだな」
「バカですよ。わたしは、ヒノミヤが妬ましいんです」
 いつものようにはぐらかされるつもりはないと言うみたいに、真木は正面から京介の眼差しを受け止めた。
 多分、真木にはもう、京介がアンディに抱いている危うい情動も気づかれてしまっているのだろう。
「あいつは……そんなんじゃない」
「じゃあなんですか? 昔の自分に似ているから同情したとでも? 少なくともあいつは、少佐に惹かれている」
「恋愛感情とは、違うだろう」
 アンディにしても同じことだ。確かにその想いは恋とも似ているけれど、それだけでもなかった。
「どうだか……」
 真木は納得できない様子で、さらに疑いの目を向けてくる。
 京介の言葉が真木には言い訳でしかないことは、自分自身でもわかっていた。
「僕が心を捧げるのは、クイーンだけだ」
 たとえ誰と寝ても、自分の身も心もただー人の少女のものだ。真木にもアンディにも、本気で応えることはできない。
 いつもどおりの京介の返事に、真木はもう動じなかった。
「何度も聞きました。そうやっていつまで、わたしをはぐらかし続けるつもりですか?」
 京介がクイーンしか愛せないというのもただの口実だと、真木は決めつけた。
 実際、あっちへもこっちへもふらふらしている不実な態度を、真木がそう責めるのも当然だった。
 京介自身にも、自分が本当に何を欲しがっているのか、よくわからないのかもしれない。
 誰かとの幸せな未来など、復讐のためだけに生き長らえてきた自分には、決して訪れはしないのに。
「真木……。まるで子供のわがままに聞こえるぞ」
「構いません。わがままでもなんでも。わたしは少佐が欲しい……今」
 ただ抱いていたいと求めてくれる彼の瞳は、京介の嘘も弱さも許しているようにやさしくて、胸が痛くなる。
 そのくせー途な男の情熱に、ふしだらな体の芯が性懲りもなく甘く疼いた。
「本当に、おまえは……」
 黒いスーツの首へ、誘うように両腕をまわす。
 軽く触れ合った唇を、たちまち奪うように狂おしく吸われた。
 懐かしい匂いがする。これは京介の腕の中にいた、あの幼かった少年だ。そう思うとどこか後ろめたさを消せないのに、ろくでもない肌はかえって熱を上げていた。
 京介のささやかな罪悪感などお構いなしに制服を脱がせる真木の手へ、おとなしく身を任せた。
 上着とシャツを剥ぎ取られ、真っ白な素肌を晒す。
 胸に残った二つの弾痕は、額のそれと共に、一度殺された者の証だ。
 見下ろした一瞬、痛々しそうに瞳を歪め、真木はためらいなくズボンと下着まで奪って、生まれたままの姿の京介を見つめた。
「また……痩せましたね」
 欲情よりもまず案じているように声をかけられて、幾分その気を殺がれた京介は、こっそりと苦笑する。
「ジロジロ見るなよ。みっともないから」
「あなたが無理をするからでしょう」
「悪かったよ。心配かけた」
 京介が勝手に動いたのは、今回だけではない。むしろ、堅物で責任感の強い真木は、京介の気紛れにしょっちゅう振り回されていた。
「心にもない謝罪はやめてください」
「じゃあ、僕はどうすればいいんだ?」
 たまに素直に謝ると、口先だけだと冷淡に指摘されて、京介は少し拗ねながら訊き返す。
「黙って、キスしてください」
「ほんと……勝手な奴だな」
「あなたほどじゃありません」
 ロを開けば嘘ばかりつく京介の狡い手管を封じるように、真木は素肌を重ねると、真っ先に朱い唇を塞いだ。
 熱い舌で口腔をまさぐられて、ズキンと皮膚の下が疼く。
「ん……んんっ」
 遮るもののない無防備な素脚の間にも、巧みに容赦ない手が入ってくる。
「あ……はっ!」
 京介は爪先まで小さく震えて、尖った息を吐いた。
 弱みを意地悪く擽るように刺激される。不慣れで一途なばかりだった真木の、こんな焦らすみたいなやり方は知らない。
「いつの間に、こんなにいやらしくなったんだ?」
「わたしだって、少佐が思っているほど、いつまでも子供じゃありません」
 低い声で耳元に囁かれて、(確かに子供じゃないな)と京介は密かな笑みをこぼした。
「君たちの成長はうれしいよ。でも……つくづく自分の歳を感じるな」
「あなたこそ……中身も子供のままじゃないですか」
 わざと年の差を思い出させるように揶揄した京介に、真木はまったく動じずに言い返してくる。
「少しは大人になれ、か?」
 パンドラの幹部である真木のロ癖だ。そのお説教ならすっかり耳タコになっているぞと、笑ってみせた。
「組織のためには、そうあるべきです。けれど……こんな時ぐらいは甘えてください。あいつじゃなくて、わたしに……」
「嫉妬深い男は嫌われるぞ」
「それはっ……」
 ちょっと脅かしただけでうろたえる真木に、大人になったといっても実直な性格までは変わらないかと、こっそり溜め息をつく。
 でも、真木がバカ正直に感情を見せるのも、相手が京介だからこそだろう。
 この男が、育ての親でもある京介を慕う気持ちには、欠片も偽りはない。
「バカ。冗談だ」
 広い背中をしなやかな指でなぞり、引き寄せるように力を込めた。
 太腿に触れた彼の掌が、さらに奥をまさぐろうと大胆に動く。
「もう少し、開いてください。これじゃ動けない」
「んっ……」
 あられもなく開いた体の芯へと、真木の手を導いた。その長い指が、傷つけないように慎重に京介の中へ入ってくる。
「くぅっ!」
 狭いベッドの上で、汗ばんだ背中を仰け反らして喘いだ。
 一番脆い部分を他人に触れられる感覚は、何度経験しても慣れない。それが家族同然の真木でも、かつての自分と同じ目をしたアンディでも。
「きつい、ですか?」
 強い異物感に耐えている京介の表情を、真木は疑り深い眼差しで窺った。
 京介の体が既に他の誰かのものになっているのではないかと疑うような瞳だ。
「そんなに……あいつとヤりまくってたわけじゃないぞ」
 考え過ぎだと、やんわりたしなめた。
「だったら本気で怒りますよ。こんな体で、何やってんですか?」
「おまえだって、その体に突っ込もうとしてるだろうが」
 洋上の戦闘で力を使い果たし、海に墜ちて死にかけていたところを、アンディとバベルに救われた。
 京介を捕らえ、保護しようとするバベルの手の内から逃げ出し、復讐すべき相手を追おうとした自分に、アンディはついてきた。
 合衆国ESP捜査局のアラン・ウォルシュに接触するまでの数日間、衝動のままに何度彼と体を重ね合ったか、京介は記憶も定かではない。
 きっと命の危険と敵への憎悪に駆り立てられていた分、いつにも増して箍が外れてしまったのだろう。
 本当のことを知れば、真木にどれほど怒られても仕方ない。
 もっとも、薄々は察しているからこそ、真木も今これほど京介を欲しがるのだろう。
「あなたの、せいです」
 嘘や曖昧な態度ばかりで、真木の真摯な気持ちをはぐらかしてきた自覚はあった。
 多分、爛れた欲情に溺れて睦み合ったアンディも同じように京介を責めるだろう。
 自分の弱さを誰かに預けて、都合よく利用してきた。酷いヤツだと、我ながらそう思う。
「僕だけが悪いのか?」
「そんな顔で被害者ぶっても、同情しません」
 真木の言うとおりだった。
 なのに、彼らは京介を許して、とことん甘やかす。まるで、京介をその腕から離すまいとするように。
「酷いな」
 淡く苦笑を滲ませて、真木の浅黒い首に両腕をまわした。
 ほんの数日で、アンディの激しさに慣らされてしまったのか、いつもより余裕がない。平静を保てない。
「真木……早く」
 妖しくねだり声を上げていた。開いた体の奥で、ギリギリとあさましく真木の指を締めつける。
「もう少し、我慢してください。あなたを傷つけてしまう」
「だめ……もうっ!」
 ざらついた指の腹で敏感な部分を擦られると、ビクビク震えてしまう。
 堪え性のない肌が、熱をおびてジンジン疼く。焦燥に駆られるまま、ベッドの上で細い腰を淫蕩に揺すった。
「どれだけ性悪なんですか。こんなに感じやすくなって……」
 真木の呆れたようなぼやき声が耳元で聞こえる。
 きっとアンディと何度交わったかまで、もう彼に覚られてしまっただろう。けれど、京介は後ろめたさを感じている余裕すら、とっくに失っていた。
「欲しいっ。おまえが……」
 せがみながら身悶えると、せつなげな長い溜め息が上気した耳朶を掠める。
「あとで文句を言わないでくださいよ」
 俯せにした腰を高く抱え上げられて、反射的にカーッと頬が紅潮した。そのぐらいの羞恥心は、ろくでなしの自分にも残っていたらしい。
「真木……っ」
「このほうが楽でしょう?」
「おまえの顔が見えない」
 無防備な体の中を知らずに真木に晒してしまう戸惑いを、そう言って誤魔化した。
「顔を見ないと、ヒノミヤと間違えそうですか?」
「責めるなよ。そんなんじゃない」
 やはりヒノミヤとの関係を根に持っているらしい真木に、軽口を返しながらも、ギュッと胸を締めつけられる。
「すみません」
 苛めすぎたとでも思ったのか、真木は後悔したようにすぐ謝ってきた。
 このぐらいの嫌味で傷つく京介ではないことぐらい知っているくせに。やさしすぎる男の情が、どうしようもなく愛しい。
「バカ……」
 ねだるように浮かせた腰を抱きしめてくる逞しい腕に、そっと掌を重ねた。
「もう、焦らすな」
「力を抜いてください」
 いたわりを込めて囁かれ、もう待ちきれなかったのか急に圧迫が強くなる。
 苦しげに昂った真木の熱を濡れた内側で感じ取ると、京介の肌もたちまち熱を増した。
「あ……」
「少佐?」
「バカ。色気のなぃ呼び方……するなっ、あっ、あ……」
 可愛い子を誑かしている疚しさまで思い出してしまうだろうと、上擦る声で真面目過ぎる男を咎めた。
「すみません」
 やっぱり律儀に謝りながらも、猛々しい塊は容赦なく脆い襞を穿つ。
「くうっ……はっ、ああっ、あっ、あ」
「辛い……ですか?」
「いいからっ……真木っ」
 今は痛いくらいに激しくされたい。彼の熱だけを感じて、煩わしい他の全てを忘れていたい。
 最奥まで満たされたいと、奔放に差し出した下肢を夢中で蠢かせた。身を焦がす情に掻き回され、蕩かされて、深い快楽の波に堕ちていく。
「そんなにっ……締めつけないで、ください」
「だって……おまえ、熱いから……」
 耳元を擽る低音で根をあげられても、卑猥に貪ろうとする内部の動きを止められない。
 京介は、誰のせいだと逆に火傷しそうな情熱で責めてくる男の手管を咎めた。
「少佐の中のほうがずっと……」
「その呼び方……よせって」
 クスリと、ふいに楽しそうな笑い声が聞こえて、愉悦の涙に滲んだ目を後ろに向ける。
「何?」
「いいえ……あなたも、少しは甘えてくださっているのかと思って」
 うっすらとぼやけた視界に、ひどく幸せそうに笑う真木の顔が映って、京介の胸をいっそう灼いた。
「そんなの……とっくに、だろ」
「そう……ですね」
 真木や紅葉たちがいるから、安心して身勝手な真似もできた。彼らを頼りにしているのは、いつだって京介のほうだ。
 どんなに疚しさを感じても、包み込まれた彼の胸や温もりをどうしようもなく恋しく思うのも。
 背中からまわされた腕にギュッと抱きしめられて、硬い屹立が奥まで届く。
「ああ――っ!! あ――っ、あ、あぁ……真木っ」
 頭の先まで真っ白に灼かれる気がして、あられもない嬌声を上げていた。
「いい?」
「んっ……もっと」
 大丈夫かと案じるような真木の声に、止めないでと慌ててせがむ。狭すぎるベッドの上で、高く掲げた腰が忙しなく弾んだ。
「そんなに煽られたら、止まらなくなりますよ」
「いいから……来いっ」
 快楽に乱れてくずおれていく下肢を抱き取られ、いっそう荒々しく突き入れられた。欲情の滴る肌と肌がぶつかり合って、パンパンと高い音を響かせる。
 耳朶にかかる速い息遣い。滴る汗。蕩けそうな体温。感じさせられている全てが、京介を狂わせていく。
「少佐……少佐っ」
 呼び方は相変わらずだけれど、熱く掠れたその音色も京介の意識を甘く溶かした。
「っ、はあっ、真木……っ」
 欲しいと、ねだるように彼を呼んだとたん、体の奥で灼熱が迸る。
 それを感じるまま大きく戦慄いて、京介は強靭な褐色の腕の中へと堕ちた。

「……少佐。少佐」
 心配そうに呼びかける声が聞こえて、京介はぼんやりと重い瞼を開いた。
 恐縮しているような漆黒の双眸に見降ろされて、彼の腕の中で失神したらしいことを思い出す。
「すみません……つい、飛ばし過ぎました。お体は?」
 ただでさえ力を使い果たしている京介の体に激情のまま無理を強いてしまったと、真面目過ぎる男は、どうせ益体もない後悔をしているのだろう。
「気にするな。自業自得だ」
 なだめるように声をかけた京介に、真木はなぜか目を丸くした。
「何だ?」
「少佐が、そんな殊勝な言葉を知っているとは思いませんでした」
 その程度の皮肉を言うぐらいの余裕は、真木にも残っていたらしい。いくらかホッとしたが、同時にムカついてきた。
「おまえは、僕を何だと思ってるんだ?」
「あなたは何ーつ変わりません。わたしが、あなたに拾われた時から……」
 それが不満でもあり、うれしくもあると言いたそうな口調に、京介の右腕にはなれても恋人にはなれない真木の、複雑な想いが滲んでいる。
 いざとなれば自分の立場をわきまえて冷静に行動できるところが、彼とアンディの差だ。
 けれど、どちらの想いも、京介にはただ愛しい。その節操のない情動が、狡いことは承知の上だ。
「そうだな」
「夜明けにはニューヨークです。少し眠ってください」
 きっちりと黒いスーツを着込んだ真木は、もう有能なパンドラの幹部の顔に戻っている。
 それを少し淋しいと感じてしまう自分は、どうしようもないろくでなしだと、京介は胸の奥で自嘲した。
「ああ……。おやすみ、真木」
「おやすみなさい」
 低くやさしい声が応え、静かにドアを開けて、足音が出て行く。
 いつの間にか汚れたシーツまで交換されているベッドの中で、京介はゆっくり瞼を閉じた。
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