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『蛇恋』

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hyosi1008
まだちょっと印刷が間に合うかどうか未確定なんですが、夏の新刊です。
相変わらず蒼一郎ラブでやっております。
『蛇恋』
A6 表紙フルカラー p56
リンクスロマンス『凶恋』番外編
大吾x蒼一郎

(何時、だ?)
 抱え込まれている分厚い胸の中で、若宮蒼一郎はぼんやりと目を開けた。夜明けまでには時間があるのか、窓の外はまだ漆黒の闇だ。
 廊下に点きっぱなしになっている電球の明かりが、襖の端から畳の上にわずかに射し込んでいて、脱ぎ散らかして、敷かれた布団の脇に放り出されたぐしゃぐしゃのシャツやジーパンが、黒っぽい影のように見えた。
 寝室の外も、シンと静まりかえっている。同じ二階に自室がある《部屋住み》の連中も、階下に泊まり込んでいる若頭の柴田たちも、もう眠ってしまったのだろう。
 小さく身じろぎすると、まだ芯に熱を抱えたような下半身の重だるさと、手足の軋みに、形のいい眉を顰めた。
 汗に濡れた艶やかな黒髪が、夏休みの間にほんの少し日焼けした額や、うっすらと薔薇色に上気した頬に張りついてくるのが不快だった。
 いつもはひんやりと感じるほどなめらかな蒼一郎の肌も、今はぴったりとくっついている体温の高すぎる男のおかげで、微かに汗ばんでいる。
 涼しげな闇色の瞳に、すっきりととおった鼻筋。蒼一郎の繊細な美貌は、男女を問わず人の視線を惹きつけた。
 六年間のムショ暮らしのあと、会えなかった間にさらに美しく成長していた蒼一郎を手に入れたのは、三つの時からお守り役として仕え、守り続けてくれた男だった。
 だが、『若宮組』先代組長の孫である蒼一郎にとって《忠犬》そのものの男は、関東一円の極道たちにその悪名を轟かせ、《狂犬》と恐れられている、少々困った乱暴者だ。
 剣持大吾――。こうして目を閉じて眠っていれば、秀麗とも言えそうな容貌に、実戦のみで鍛え抜かれた逞しい四肢を持った偉丈夫は、いったん目を覚ませば、ギラつくような殺気を周囲に発散し続けた。
 若宮組組長として、対立する組織に睨みを利かせるには、それも必要な素質ではあったけれど、大吾の場合は、その凶拳が味方にも向けられかねない諸刃の剣だった。
 極道の中では生ける伝説的な存在であるこの荒ぶる男を、唯一、叱りつけ、足蹴にして従わせているのが、蒼一郎の役割でもある。だからこそ、まだ高校二年生で真面目な学生として暮らしている蒼一郎の悩みの種でもあるのだけれど。
 それでも、幼い頃からずっと側にいて、両親を失って孤独と不安の中にいた蒼一郎に、大きくて深い無償の愛情を変わらずに与えてくれたのが大吾だった。
 蒼一郎の祖父から若宮組の組長を継いだ今だって、大吾は先代の孫である自分を、誰よりも崇拝し、誠実に守ってくれている。
 二人の関係にセックスが含まれるようになっても、本質的なところでは昔と何も違っていないと、蒼一郎は信じていた。
 とはいえ、蒼一郎と結ばれて、浮気を禁じられるまでは、気に入った女の部屋を毎晩泊まり歩いていたような絶倫男を、一人で繋ぎ止めておくのは、覚悟していたこととはいえ、並大抵の苦労ではない。
 昨日は登校日で、溜まっていた生徒会の仕事もいくつか片づけてきた。学校から帰り、すぐにシャワーを浴びて、大吾は出かけていたので、珍しく一人の座敷で早めの夕食を済ませた。
 自室で二時間ばかり勉強をしていたところで、おもてに車の音が聞こえ、大吾が戻ってきたのはわかったけれど、どうせ飛んでくるだろうと迎えにも出なかった。
 しばらくすると、案の定、階段をすごい勢いで駆け上がってくる足音が聞こえ、ノックどころか、声もかけずに襖を開けた大吾が、腰にタオルを巻いただけの恰好で、シャワーの水滴を滴らせたまま、無防備な蒼一郎に襲いかかってきた。
「大吾っ……。おまえ、濡れて……」
「おおっ。帰って真っ先に、ひとっ風呂浴びてきた。酒くさくねーだろ? 頭のてっぺんから足の爪先までぴっかぴかだぜ」
 体ぐらい拭いてこいと怒鳴った蒼一郎に、大吾はまったく気にした様子もなく、むしろ自慢げに裸の胸を張った。
 前に、酔って帰って蒼一郎にいきなり抱きつき、酒くさいと怒られたことを、無神経なこの男なりに気にしていたらしい。
 怖そうな見た目や横柄な態度と裏腹に、恋人には一途で可愛いところもあるんだけどなと、苦笑が浮かぶ。
「ああ。そうだな……」
 抱いてもいいと許可を与えるような蒼一郎の返事を聞く前に、大吾はとっくに小柄な体を抱え上げ、隣室にのべた布団へと運んでいく。
(明日、模試なんだけどな……)
 声にしない言葉と共に溜め息をつきながら、蒼一郎には抗う気持ちも湧いてこなかった。
 こんなふうに、帰宅すればまっすぐに自分のところに飛んできてくれる大吾が、どうしようもなくうれしく、愛しくて。
 布団の上で、シャツのボタンを丁寧に外され、大吾が首筋に顔を埋めてくる。ねっとりとした熱い舌が、男の愛撫に慣らされ、弱くなった肌を舐めまわす。
「ふっ、あ……」
 自然に甘い声を上げていた。大吾のペースで爛れた関係に溺れてしまうことを、理性では警戒しながらも、若くて健康な体は受け入れ、待ち焦がれているようにも思えてくる。
「おまえもいい匂いがする。風呂に入って、俺を待っててくれたのか?」
「バカッ……」
 ニヤリと笑って自惚れる大吾の顔を、わかっていても訊くんじゃないと、蒼一郎はうっすら赤くなって睨み返した。
 その時の蒼一郎の体調によって、挿れようが挿れまいが、大吾がやわらかな肌に触れてこない夜はない。きれいにしておくことを義務のように思っている蒼一郎の律儀さを、大吾だって誰よりもよく知っている。
 間近に迫ってくる男の顔に、そっと目を閉じた。噛みつくみたいな乱暴なキスは、すぐに貪り合う激しさに呑み込まれていく。
「大吾っ……」
「全部、脱いじまえよ、おまえも……」
 もどかしそうに促されて、ジーパンと下着を一度に脱がせる大吾の手に、慎みもためらいもいっしょに脱ぎ捨てるように、細い腰を浮かせて協力した。
「……島村は、どうした?」
 島村力は、かつて若宮組と対立していた『統仁会』の組長だったが、親組織である台湾マフィアの『黒龍会』から破門され、子分ともども蒼一郎の舎弟にしてくれと押しかけてきて、そのままこの家に居座っている。
 卑劣な手段で蒼一郎をレイプした島村は、その身を懸けて大吾にタイマン勝負を挑んで敗れても、いまだに何かといえば張り合っている。
 せっかくいい雰囲気なのに、思い出したくもない名前を聞かされたと、大吾はあからさまに眉を顰めた。
「事務所にいるよ。もう、覗きになんか来させねーから、安心しろ……」
 屋敷に押しかけてきたばかりの頃、島村に大吾と二人きりの寝室を覗かれ、あまつさえ「腰が入っていない」だの「体位がワンパターン」だのと批判されて、蒼一郎は恥ずかしいことこの上なかった。
 二度と島村に不作法なまねはさせないからと、大吾になだめられて、ホッとして力を抜く。
「あいつ、すっかりうちの事務所に住みついてるな……。まあ、番犬代わりぐらいにはなったけれど……」
 薄い胸を熱心に啄んでいる大吾の頭を抱き寄せながら、島村もたまには役に立つこともあるけれどと、吐息混じりに呟いた。
 実際、先週末、事務所に五人のコソ泥が忍び込んだのを、泊まり込んでいた島村と二人の舎弟が捕まえるという事件があった。
 事務所といっても、屋敷のほうは自宅兼用で、表に表札以外は看板も何も出していないから、若宮家がヤクザとは知らずに押し入ったらしい。
 それ以前にも、近所の民家で何件か被害があり、抵抗して腕を折られたり、殴られた被害者もいるから、泥棒より性質の悪い集団強盗だ。
 もっとも、いくら凶悪な強盗だろうと、大吾とタイマンで殴り合う島村が相手では、ひとたまりもなかっただろう。
「若宮組の事務所に押し込むなんて、間抜けな強盗だがな……。島村なんかいなくても、俺がひと捻りにしてやったのに……」
 強盗の悲鳴を聞いた大吾が、蒼一郎の寝室から駆けつけた時には、五人の強盗はすでに血まみれで床に倒れていたらしい。
 せっかく容赦なく暴れられるチャンスだったのにと、口惜しがる大吾を見ると、強盗たちもむしろ島村に感謝すべきかもしれないと思えてきた。
「おまえに捻られたら、普通は死ぬぞ。……ちゃんと、生かして帰しただろうな?」
「あいつら、日本語もまともに話せねー密入国者だぞ。押し入ったのがうちでなきゃ、殺されてたのは善良な一般市民のほうだ」
「大吾っ……?」
 殺したのかと、尖った小さな乳首を執拗に弄っている男を、険しい目つきで睨み上げた。
 このところ、日本に住みつく中国人の数はうなぎ登りに増えてきている。いまや、都民の百人に一人が中国人とも言われていて、中には、法の網をかいくぐるような手段や、明らかに違法な方法で滞在している者もいた。
 そういう下層にいる連中は、金のためにチャイナマフィアの使いっ走りになったり、徒党を組んで窃盗などの犯罪に手を染める。
 チャイナマフィアと手を結んで、移民利権で儲けている組もあったが、大吾はそういう連中を生理的に嫌っていた。増えすぎた中国人も、目障りくらいにしか思っていないだろう。
「ボコボコにしてから、縛り上げて、サツの前に捨ててきた。どうせ、チャイナマフィア同士の抗争だとでも思うさ」
「なるほどな……」
 あの上、さらに殴ったのかとうんざりした気分になったものの、蒼一郎も強盗に同情するつもりはさらさらなかった。ヤクザの家に押し入って命があっただけでも、むしろ運がいいと思うべきだろう。
「蒼っ……。もういいだろう? 挿れてーっ!」
 憂うべき状況のことをちょっと考え込んでいた蒼一郎に、大吾は焦れたようなねだり声を上げる。
「バカ……。我慢なんかせずに、さっさと挿れればいいだろう。おまえらしくもない……」
「無理強いはしたくねーんだよ。おまえに……嫌われたくない」
 激情を持てあましたように、どうしたらいいのかわからないと、愚痴を洩らす大吾には、少し驚いた。
 島村あたりに、「勝手ばかりしていると、そのうち嫌われるぞ」とでも脅されたのだろうか。
 とことん傲慢な男のくせに、蒼一郎に対してだけは変に繊細なところがあって、だからろくでなしだとわかっているのに、ついほだされてしまう。
「誰が、嫌うって? 無理強いされて嫌になるぐらいなら、最初からおまえになんか惚れていない。それに……僕が挿れてほしいって言ってるだろう?」
「蒼……」
 心底ホッとした表情になって、勢いよく覆い被さってくる大吾の広い背中を、きつく抱きしめていた。
「愛している……」
 耳元で囁くと、ビクリと大柄な肢体が硬直する。無言で腰を抱えた大吾が、やわらかな狭間へ指をすべらせてくる。
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