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NOVEL

リバ1

 ←リバ2 →乱恋 その1
分割。part1。
読みやすいように逆順にアップしています。
今度は弾かれませんように……(^_^;)
携帯で上手く読めない場合は、お知らせいただけると、とてもありがたいです。



「ったく……よくよく宴会好きの学校だな。俺や道明寺が邪魔なら、呼ばなきゃいいのに……。つまり、俺はあのオオトラのお守り役か」
 年度末も近いという中途半端な時期に、鬼柳辰巳は、私立『藤朋学園』に臨時採用教師として雇われた。
 二年D組という学年きっての問題児ばかりを集めた落ちこぼれクラスの担任が、勤務中に怪我をして退職してしまったせいだ。
 事件を起こして都立高校をクビになって以来、しばらく教職からは遠ざかって、水商売を転々としていた辰巳を藤朋に誘ってくれたのは、同じ学園の教師で、大学時代の先輩だった道明寺高広だった。
 この時期、辰巳は事故で死んだ姉の義息を養子として迎えたばかりで、まっとうな仕事に就けそうな道明寺の誘いに、渡りに船と乗ってしまった。
 あとになって、その自分の選択を後悔する場面も何度かあったものの、年度も終わりを無事に迎えた今日まで、なんとか教師を続けてこられたのは、トラブルメーカーの辰巳にしては奇跡的なことだろう。
 終業式あとの慰労会で、しこたま酒を飲まされてもちっとも酔えなかったのは、相変わらず酔ってくだを巻き、酔い潰れて動けなくなった道明寺を家まで送ってきたせいだ。
 これもすっかり習慣になってしまった愚痴をこぼしながら、辰巳はスーツのポケットから鍵を出して、マンションのドアを開けた。
「真……。そっか、あいつ、今日は模試だったっけ。試験勉強がんばってたから、もう寝てるよな」
 先に帰ってきているはずの同居人に声をかけようとして、真っ暗なリビングに、とっくに真の姿はないことに気づく。
 辰巳の養子であり、八つ年下の真は、十六歳の高校二年生だ。辰巳が勤める藤朋よりもはるかにレベルが高い名門進学校、『高英学園』の超難関の編入試験に軽くパスした秀才だった。
 生真面目で努力家の真は、今では辰巳の生き甲斐でもある自慢の息子だった。
 もっとも、はた目に見れば、という話だ。内情は、高校生の息子と、外聞を憚るような爛れた関係に溺れ込んでいる。
 だからといって、己の愚行を世間に恥じたり、今さら反省したりするような辰巳ではなかったけれど。
「新しい学校だから、はりきってるのか……。俺のため、か。……あいつも、バカだな」
 まだ高校生の真は、いきなり両親を失い、辰巳という新しい養父のもとで生活を始めたばかりだ。
 大きく環境が変わったのだから無理はするなと、いくらたしなめても、辰巳に学資まで出してもらっているという責任感か、真は高英でいい成績を上げようと躍起になっているらしい。
 もともと実力のある真だから、まわりに追いつこうとそんなに必死にならなくても、すぐに上位の成績だって取れるはずなのに。
 むきになってがんばっている真が可愛くもあるし、辰巳に認めてもらいたいという真の気持ちはいじらしくもあるけれど。
 とりあえず、体に染みついたアルコール臭を落とそうと、浴室でシャワーを浴びた。
 いつもより念入りに体を洗っている自分に気づいて、何を期待しているのかと、苦笑が浮かぶ。
 試験勉強の間は、真は自分の部屋にあるシングルベッドで眠っていたから、いっしょに寝るのは久しぶりだった。
 とはいえ、何か約束していたわけでもない。疲れきっているはずの真は、今夜も自分の部屋で寝ているかもしれないのに。
 まだ雫の滴る頭をタオルで拭いながら寝室へ向かう間も、辰巳の鼓動はいっそう高まっていく。
 寝室のドアの隙間から、廊下に洩れているほのかな明かりに、思わず眉を顰めた。
(まだ、起きてるのか……?)
 真には今朝、どうせ道明寺を送って遅くなるから、待たなくてもいいと言って出かけた。第一、このところの根を詰めた試験勉強で、いくら若い真でも疲れきっているはずだ。
 静かにドアを開けて中を覗くと、真は、枕元の照明だけ点けた薄暗がりの中、辰巳のベッドの上で毛布もかけずにうたた寝している。
「何やってんだ。風邪ひくぞ。まったく……」
 舌打ちしながら辰巳が近づいていっても、まるで目覚める気配のない真の寝顔を見下ろした。思わず手を伸ばし、なめらかな頬をそっと撫でる。
 ゆるくクセのある淡い茶髪に、ミルクティー色の虹彩。透きとおるように白い肌。どこまでも淡い色彩の、繊細な美貌を持つ辰巳とは、真は対照的なタイプだった。
 さらさらと艶のある黒髪に、きりりと涼しげな漆黒の瞳。夏の日焼けがわずかに残る健康的な肌は、まだ少年の色合いをどこかにとどめている。
 常に冷静で、穏やかな態度を崩さない真の、身を焦がすほどの情熱と猛々しい男の色香を知っているのは、今は辰巳だけだ。
「無邪気な顔しやがって。犯すぞ、コラ……」
 辰巳が、冷たいベッドに一人で眠る夜をどれほどやるせなく感じていたか、真は知っているだろうか。
 さんざん焦らしやがってと、すやすやと平和に眠る年下の恋人に、密かに恨みをぶつけた。
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