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ENDRESS TALE

紅蓮の爪痕 漆黒の愛撫 1

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           ☆

「ぅ……ん?」
 深夜、首筋を逆立たせるように異様だが微かな気配に、正木(まさき)由里(ゆり)は穏やかな眠りを破られた。
 窓からは、秋らしい冴え冴えと明るい月の光が射し込んでいて、広いベッドの足元へ繊細なレースの影を落とす。
 すでに晩秋ともなると、夜の空気は室内とはいえしんと冷えていて、理由のわからない奇妙な悪寒と一緒に裸の肩をわずかに震わせた。
 目線を動かすまでもなく、目の前にはしなやかな細身のシルエットが、上体を起こしてじっとユリを見下ろしている。
(貴臣(たかおみ)……?)
 誰よりも親しい相手に、なぜかすぐ声をかけるのを憚られて、密やかに息を詰めた。
 逆光になった金色の月明かりにおぼろに浮かぶおもては、ユリの寝顔に見入っているようでもあり、でもその闇に翳った視線は、もっと遠くを見つめているようにも思える。
「……してる」
 側にいても聞き取れないほど頼りなく掠れた囁きは、最初、その唇が紡いだものかどうかさえ定かではなかった。
「あい、してる……愛してる……ユリ、俺を、捜してくれ……本当の俺を、見つけて」
「なんのことだ?」
 ただならぬ雰囲気を感じて、半ば身を起こした視界に、白い頬をスローモーションみたいにすべり落ちていく白銀の雫が映る。
「貴臣……?」
「ゆり……捜して、俺を……」
「貴臣っ!」
 夢見るように告げられた言葉も様子も、正気ではないことは明らかで、胸元にかかっていた毛布を跳ね除け、薄い肩を幾分荒っぽく掻き抱いた。
「貴臣、おいっ! 目を覚ませっ!」
「ユ、リ……」
 名前を呼んだ唇で、しどけなく重ね合うようにユリのそれへ触れてくる。この世で最も愛しい人に誘惑されれば、無意識だろうともちろん否やはなくて、とびっきり甘い吐息を啄ばんでやり、やわらかな接触だけでは足りないと深く舌先を忍ばせ、熱い粘膜をまさぐった。
 搦めとったなめらかな感触を、ちょっと乱暴なほどきつく吸ってやると、おずおずと伸ばされた華奢な両腕が背中を抱きしめてくる。ゆっくり溶かすように舐めていると、冷えきっていた胸も肩も、すでに肌に慣れ親しんでいる男の愛撫に瞬く間に熱を上げた。
「は、ぁ……あ、んっ、ゆり?」
「気持ち、いいか?」
 まだ半分夢の中にいるような声に微笑んで、問いかける言葉と濡れた口角で耳朶をくすぐる。
「ん……あっ、俺……?」
「怖い夢でも見たのか? ん?」
 甘やかすように、月光に潤んで妖しく光る夜の色の瞳を覗き込んで訊いた。
 二人が初めて出会ったのは、八年前。ユリはまだ高校二年生で、貴臣はその担任教師だった。 互いの立場も男同士であることも越えて、道ならぬ激しい恋に堕ちた。東日本最大の広域暴力団『正竜会(しょうりゅうかい)』の組長を父親に持つユリは、八歳年上のこの美しい恋人を何度も泣かせ、死ぬよりつらい思いもさせてきた。それでもたおやかにやさしげに見えて、誰よりも強靭で情熱的な心身を兼ね備えた貴臣は、ついに折れることはなく、ユリへの一途な愛情を貫き通した。
 しかし、その体にも心にも癒されることのない幾多の深い傷痕は残っていて、時折こうして悪夢となって愛しい人を苦しめているのではないかと、ユリは鋭い水色の双眸を気遣うように細める。
 今年二十四歳を迎えたユリは、ヤクザの情人だったアメリカ人の母親が産んだハーフで、深海のような色濃いブルーの瞳と、癖の強い黒髪、一八五センチ超える逞しい長身の青年だった。そのブルーは、貴臣の側でだけ、透きとおるような淡い水色に溶ける。裸の胸や背中に隆起した、けれどもこれ見よがしではない筋肉のラインがきれいで、鍛え上げられた四肢には眩しいばかりの若々しい張りと艶があった。
 一方の貴臣は三十二歳になるはずだが、出会った頃から少しも年を取ったようには見えなかった。それどころか、ユリに愛されるようになってからは、年々あでやかさを増していくようで、しばしば周囲に罪作りなせつない溜息をつかせていた。さらさらと涼しげな音のしそうなストレートの髪には、くっきりと天使の輪が見え、ユリの掌にしっとりと吸いつく肌は、甘やかなミルク色だった。とりわけ印象的な闇に染まった虹彩は、男の腕の中でだけ、紅蓮の炎の揺らめきを反射した。
 今も間近からとらわれた漆黒の水晶に、熾火のような仄かな紅がちらちらと燻っている。それは、ついさっきまで分厚い胸の下で追いつめられていた、狂おしい行為の名残だった。
「ユリ……」
「うん?」
 貴臣の声音は、まだどこかぼんやりしている。けれど、目覚めた時に感じた、ひどく緊迫した危ういものは消えていたから、膝に抱き取った肢体をただあやすように包み込んでやる。
「俺、何か、言ったか?」
「俺を呼んだぞ。覚えていないのか?」
 曖昧に呟く貴臣に、「捜してくれ」という謎の言葉の意味はわざと確かめず、名前を呼ばれたことだけ話すと、それすら覚えてはいないように虚ろに首を振る。
「少し、頭がぼんやりする……」
「どこか痛いか?」
「頭痛はないけど」
 不安そうに頼りなくためらう恋人の返事に、ユリは少なからず淫靡に口元を綻ばせた。
「体は、平気か?」
「うん……え?」
 耳に直接届いた艶めいた低音と一緒に、内腿の奥へと触れた悪戯な指先に、今度はいくらかはっきりしたように貴臣がびくりと目を瞠る。
「やりすぎってことはねーよな。ここしばらくは、接待や残業続きでご無沙汰だったし。むしろ……足りなかったか?」
 こっそりと卑猥な科白を耳打ちされて、からかわれることにも大概慣れているはずの貴臣は、なのにうなじまで真っ赤になった。抱き合えばどこまでも大胆な癖に、いったん熱が冷めると純情この上ない恋人の態度は、悪趣味な男をよけいに昂ぶらせる役にしか立たない。
 不意打ちみたいに、抱え込んでいた膝の上から整えたばかりの乾いたシーツへと転がしても、当然のようにすぐ両足の間に入り込もうとするユリに、貴臣はうろたえるだけでろくな抵抗もできなかった。
 愛しているから、ユリのセックスはどんな時でも拒めない。それがわかっていてつい執拗に苛めてしまうのも、結局は貴臣も求めてくれると知っているからだ。
「ば、か……ユリっ! ご無沙汰って……たった五日……」
「五日も、だろ? 俺は、貴臣がずっと欲しかった」
 そういう貴臣だって、何日していなかったか即答できるくらいには待っていたんだろうと熱っぽい目つきで唆せば、困ったように長い睫を伏せる仕種もいかにも思わせぶりだった。
「もっと、足、開けよ。さっきよりも、奥に行ってやるから」
 弱い耳元へ息を吹きかけて、真上から覗いたアクアマリンの煌きに、色悪な笑みを滲ませる。そんな表情をすると、このヤクザな男は恐ろしく魅惑的で、とっくに身も心も奪われてしまっている貴臣は、羞恥のあまり痛々しいほど全身を紅潮させながらも、唯々諾々とあさましい形を晒すしかない。
「いや、じっと見ない……で」
「月明かりぐらいじゃ、どれほども見えねーよ」
 小刻みに震える太腿を撫でてやりながら、そうなだめたものの、足元から照らす光は、先刻の余韻のまま潤んでとろりと解けている場所を薄闇に浮かび上がらせて、かえって明るい蛍光灯の下よりもなまめかしい。挑発的なその影の色に、音もなく息を呑んで、くらくら目眩を覚えるほど駆り立てられている。
「貴臣……っ」
「あっ! いきなりっ、だめ……ああんっ、はっ」
 許しを待つ余裕すらなく、伸しかからせた腰をぐいと捻るようにして硬い屹立に穿たれ、驚いて悲鳴を上げた貴臣が、細い指で背中へしがみつく。けれど、尽きない欲望をその場所へと繰り返し注ぎ込んだつい数時間前が嘘みたいに、まったく衰えを感じさせずに凶暴に滾った強直を、高熱を孕んだ柔襞は、まるで抵抗もなくずるずると呑み込んだ。そればかりか、体内を開いていく楔へとうねるように強烈に絡みつき、うれしげに啜ろうと淫猥に蠢く。
「すげ……引きずり込まれるみてー」
「ばかっ……あっ、やぁ、深いっ」
 荒い息を吐いて、締めつけはきついのに奥でやわやわとしゃぶられるような感触が堪らないと、いやらしく唇を舐めた。そのユリの、かなり締りがなくて下品だろうと自分でもわかる顔つきを、貴臣が蕩けそうな上目遣いで窺うから、「さっきよりも、奥に行ってやる」と言ったとおりに、狭い内部にあるそれが意識せずぐぐっとさらに膨れ上がる。
「ああ、んっ……ユリ、来るっ、も……いっぱい」
「しがみついてろよ、貴臣っ!」
 あられもなく体感したままを、素直な唇に上擦った音色で紡がれて、カッと脳裏を灼かれるまま密着させた腰を夢中で揺さぶった。
 眠り込む前にバスルームで残滓はすべて洗い流したはずなのに、すぐにそこからぐちゃぐちゃとぬめった響きが聞こえるのは、中を濡らすユリの体液とその引き締まった腹に擦られている貴臣がこぼす雫のせいだ。
 恋人が歓んでくれているとわかれば同じ歓喜を感じて、確かめるように掌へ張りつめた性器を握りしめて、動きに合わせて上下に扱きたててやる。
「あ、ユリっ……ああっ、い……いいっ」
「気持ちいいか?」
「うんっ、うん……いい……ああっ、あっ、あっ……」
 咽ぶような声が、しなやかな両腕でしがみついているユリの耳に直に届くから、ねだられるまま、猛々しい律動を速めていく。目の前で揺れる尖った肩先へそそられるようにやんわりと噛みつくと、敏感にびくんと跳ねた体は、何度も収縮と弛緩を繰り返して中の男を刺激した。
「ゆ……ユリっ」
「俺を、感じるか?」
 許しきった甘い吐息に呼ばれ、ほんのり歯形のついてしまった白い肌へ、なだめるように口づけしながら囁いた。
「あんっ……感じる、いっぱい、感じ、る……」
「そうやって、俺だけ、感じてろ。おまえが、不安なんか感じる暇もないくらい、ここも……こっちも、俺でいっぱいにしてやるから」
 激しく突き上げている濡れそぼった肉奥と、裏腹のやさしい仕種で額へもキスを落として、体の中も頭の中も俺でいっぱいになれと教えてやれば、こんな時間に再び挑んできたユリの想いを理解して、金色の月光に煌く闇の色が甘やかに溶けていく。
「好き、ゆり……愛してる……っ」
 言葉だけでは言い尽くせない一途な気持ちは、一緒にこぼれた喉の震えで十分以上に伝わった。
「こら、泣くな。俺は、おまえに泣かれると、弱いんだ」
 快楽でならいくらでも泣いていいから、そんなせつなそうに泣いてくれるなと、咎めるように訴えると、繊細な美貌に泣き笑いめいた複雑な感情が浮かんで、涙を隠すみたいにユリの分厚い肩へ埋まった。
「ユリ、もっと……俺を、いっぱいにして」
「ああ」
 二人でこの甘美な至福に溺れることには異議はなくて、抱き上げた下肢へ深いストロークを刻み込んだ。
 汗ばんだ腕が首からすべりそうになっても、貴臣は振り離されまいと必死にすがりついてくる。その喉からはいつまでも密やかな泣き声が聞こえ続けて、ひどく艶やかなそれにも、ユリの胸はやはり小さく疼いた。
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